労働基準監督署> 大事なのは是正勧告を受けないための事前の備え

労働基準監督署から是正勧告を受けないための事前の備えが大事

労働基準監督署の調査では、もちろん、労働基準法に対する違反がないかを調べられます。ちなみに、労働基準監督署の過去の調査では約8割の会社で労働基準法の違反が指摘され、是正勧告が出されています。

最も多い違反は、「労働時間」「安全基準」「割増賃金」の順となりますが、いずれにしても労働基準監督署が調査に入って、是正勧告を受けてからでは手遅れなのです。

日頃から、これら是正勧告を受けないように、労働基準法を学び、労働基準法の対策を講じていくのが一番です。

しかし、労働基準監督署の調査(臨検)への対策が万全でなかったとしても、是正勧告の被害を最小限に抑えるための対応法はあります。

労働基準監督署に関する圧倒的な調査立ち合い実績から学んだ知恵を解説します。

労働基準監督署とは

労働基準監督署は、労働基準法をはじめ労働安全衛生法、労災保険法等の法律に基づき、厚生労働省の各都道府県労働局の管内に複数設置される出先機関です。都道府県労働局は労働基準局の指揮監督を主に受けつつ管内の労働基準監督署を指揮監督します。

就業条件・労働環境・賃金など、労働者と事業者間のトラブルについては、労働基準監督署で話し合われることが多く、労働基準監督署が事業所への立ち入り調査(臨検)を行なうこともあります。

臨検の結果、違反が認められた場合は是正勧告書が交付され、指定期日までに是正するよう勧告されます。

労働基準監督署の事業方針

労働基準監督署は今年度、労働基準法の遵守のために、次のような重点目標を立てています。会社としても、この労働基準監督署の取り組みに関心を持ち、是正勧告が出されないよう注意を払うことが望ましいです。

《一般労働条件関係:労働基準監督署が最近力を入れている仕事》

  1. 厳しい雇用情勢等に対応した法定労働条件の履行確保(労働基準監督署に行く労働者が不況で急増しています)
  2. 申告・相談・情報に対する迅速・的確な対応(労働基準監督署へのチクリ増えています)
  3. 長時間労働の抑制・過重労働による健康障害の防止やサービス残業の撲滅(労働基準監督署は長時間残業に目を光らせています)

《具体的対策:一般労働条件関係 労働基準監督署が最近力を入れている仕事》

  1. 集団指導等あらゆる機会を通じて労働契約法、改正「労働基準法」等の基本的労働条件の枠組み整備に必要な知識の周知・啓発に努めます。(労働基準監督署が目を光らせています)
  2. 相談は相手の身になり懇切丁寧に対応し、プライバシーの保護に配慮します。サービス残業の申告は優先的業務と位置づけ遅滞なく着手し、処理経過を適宜説明し適切な手法を講じて解決を図ります。労働基準法の違反があれば厳正に対処します。(労働基準監督署が目を光らせています)
  3. 長時間労働の情報、過労死発生事業場等には的確な指導を行います。(労働基準監督署が目を光らせています)
  4. 未払賃金立替払制度を迅速・適正に処理します。