労働基準監督署>労働基準監督署に関するニュース>業務上災害で「うつ病」発症

労働基準監督署に関するニュース <7>-7
業務上災害で「うつ病」発症

提訴:過労自殺の元社員遺族、外資系ホテルを--福岡地裁

 福岡市博多区のホテル、ANAクラウンプラザホテル福岡に勤務していた経理支配人の男性(当時50歳)が08年12月に自殺したのは過労が原因として、遺族が20日、ホテルを所有するホライズン・ホテルズ(東京都)を相手取り、慰謝料など約9500万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。
 訴状などによると、ホテルは全日空系だったが07年5月ごろ、外資系金融グループ運営の金融ファンドに事実上、買収された。ホテル運営は英国系の会社に委託された。
 男性は80年に入社。07年5月以降は時差の関係で深夜に届く英文の指示メールに追われるなどで満足に休みが取れず、08年12月ごろにうつ病になった。自殺前の6カ月の残業時間は月100時間を超えることが珍しくなく福岡中央労働基準監督署は今年3月、男性を労災認定している。
 原告側代理人は「外資の経営手法が導入され、男性の業務量も責任も急増した。経営側の安全配慮義務違反は明らか」と主張。ホライズン・ホテルズは「訴状を見ていないのでコメントは控えたい」としている。【岸達也】

[毎日新聞社 2011年12月21日(水)]

<<前のページへ 次のページへ>>