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労災隠し

重傷事故報告せず 造船会社を書類送検 容疑で今治労基署=愛媛

 社員が作業中に重傷を負ったのに、報告を怠ったとして、今治労働基準監督署は15日、広島県福山市の造船会社「ケイシン」と同社の男性経営者(39)を、労働安全衛生法違反(労働者死傷病報告)の疑いで地検に書類送検した。
 発表によると、同社と経営者は、元請けの船舶部品製造会社(上島町)の工場内で、昨年4月に男性従業員(57)が足場から転落して骨折。7月にも別の男性従業員(38)が鉄板(重さ約500キロ)の下敷きとなり、腰の骨を折るなどして下半身不随の後遺症を負ったにもかかわらず、労基署に報告書を提出しなかった疑い。
 経営者は「労働者とは請負契約と認識しており、報告義務はないと思っていた」と供述しているというが、同署が昨年11月に行った立ち入り調査で、重傷を負った2人は同社の直接雇用と判明。管内では、2月にも今治市の造船会社と経営者が同法違反で書類送検され、同署は管内の造船業者19社に「労災隠し」をしないよう、文書で通達した。

[読売新聞社 2011年3月16日(水)]

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