労働基準監督署>労働基準監督署に関するニュース>36時間外協定

労働基準監督署に関するニュース <1>-7
36時間外協定

損賠訴訟:九電工自殺、8000万円で和解 福岡高裁「労働管理に原因」認め

 自殺した電気設備工事大手「九電工」(福岡市)元社員(当時30歳)の妻(34)らが、長時間労働などによるうつ病が自殺の原因として、同社に約9000万円の損害賠償を求めた訴訟は9日、福岡高裁(古賀寛裁判長)で和解が成立した。同社が遺族側に約8000万円の解決金を支払う実質原告勝訴の内容。原告側が会見し明らかにした。
 原告側によると、和解内容は(1)自殺が同社の労働時間管理などに起因すると認める(2)再発防止に最大限努力する――など。
 訴状などによると、元社員は福岡支店で空調・衛生施設工事などの現場監督をしていたが04年9月、飛び降り自殺した。労働基準監督署は自殺を業務災害と認めていた。
 昨年12月の1審・福岡地裁判決は、1カ月間の時間外勤務が、自殺前の04年1月以降、労使協定を大幅に上回る約150時間と認定。九電工の不法行為を認め、約6900万円の損害賠償などを命じた。九電工側が控訴していた。
 九電工は「ご遺族のためにも裁判を早期に解決すべきだと判断した。今後、同種事件の再発防止に向け取り組む」とコメントした。【岸達也】

[毎日新聞社 2010年8月10日(火)]

<<前のページへ 次のページへ>>