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管理職の時間外手当

飲食店員の過労死:社長らに責任 「日本海庄や」に賠償命令--京都地裁

 07年8月に突然死した飲食店チェーン「日本海庄や」従業員、吹上元康さん(当時24歳)の両親が、過重な時間外労働が原因だとして、経営する「大庄」(東京都大田区)と平辰社長ら役員4人に約1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、京都地裁であった。大島真一裁判長は同社の安全配慮義務違反を認め、連帯して約7860万円を支払うよう命じた。
 原告代理人の松丸正弁護士は「こうした訴訟で役員ら個人の責任を認めるのは珍しい」と話している。
 判決によると、吹上さんは07年4月に入社し、大津市の石山駅店で調理や接客を担当。出勤日は午前8時半から午後11時まで働き、死亡前4カ月間の月平均時間外労働は過労死の認定基準(月80時間)を超える112時間に上っていた。
 同社は基本給に時間外労働80時間分を組み込むシステムを採用。大島裁判長は「到底、労働者の生命・健康に配慮しているとは言えない」と指摘し、社長ら役員について「悪意か重大な過失で、そのような体制をとっていた」とした。
 大津労働基準監督署は08年12月、死亡と業務の因果関係を認めて労災認定し、09年4月には大庄と石山駅店長を労働基準法違反容疑で書類送検。大庄は「遺族に改めてお悔やみ申し上げます。判決内容を検討して対応を考えたい」としている。【古屋敷尚子】

[毎日新聞社 2010年5月25日(火)]

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