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外国人研修生

外国人実習生雇用:事業所の7割が違反 残業代不払いなど--労働局まとめ /岐阜

 ◇劣悪な環境浮き彫り
 外国人技能実習生を雇う県内の事業所のうち89事業所を県内7労働基準監督署が09年度に監督したところ、71・9%にあたる64事業所で残業代の不払いなどの法律違反があったことが岐阜労働局のまとめで分かった。実習生127人への不払い賃金の総額は4547万円(1人当たり約35万8000円)に及び、外国人技能実習生を取り巻く劣悪な労働環境が浮き彫りとなった。【岡大介】

 同労働局によると、最も多く指摘されたのは残業や深夜労働による割り増し賃金の不払いで、全事業所の52・8%にあたる47件に上った。次いで、最低賃金以下の給料しか払わなかった違反が22件(全事業所の24・7%)指摘された。労働時間についての違反も12件(同13・5%)あり、中には1カ月の残業が100時間を超えた悪質なケースもあった。
 こうした法律違反以外にも、事業所が実習生のパスポートや通帳などを取り上げたケースが4件あった。
 今年2月18日には、中国人技能実習生3人に対し、09年1~4月に最低賃金を下回る2万円前後の月給しか払わず、5月からは給料自体を払わなかったとして、大垣労働基準監督署が繊維製品製造業者を労働基準法違反などの容疑で書類送検している。
 県内では、愛知県に次ぎ全国で2番目に多い約9000人の中国人やベトナム人などの外国人技能実習生が働いている。だが、違反を指摘された事業所の割合は07年度が79・2%、08年度は69・8%と、高水準で推移しており、違反が横行しているのが現状だ。
 岐阜労働局は「外国人技能実習生を雇う事業主には零細企業も多く、実習生を安価な労働力ととらえているケースが多い。法律に違反した業者を厳しく処分するのと同時に、説明会を開くなどして技能実習制度について理解を求めていきたい」としている。

[毎日新聞社 2010年12月11日(土)]

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