立ち読みコーナー『監督官がやってくる!』
『監督官がやってくる!』
<第1章>小さな会社の労務トラブルの「いま」
- 増えている!?社員の退職後のサービス残業代請求
- "サービス残業ビジネス"が中小企業を直撃する
- まずは労働基準法対策を行おう
まずは労働基準法対策を行おう
●労働基準法は最低限度の労働条件を定めた法律
労働基準法は労働者の最低限度の労働条件を規定したものです。労働基準法第1条2項には「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るよう努めなければならない」とあります。
昨今は、労働者側の権利意識がとくに高まっており、労働基準法は守って当たり前、それを違反しているのなら徹底的に権利を主張し、「いただくものはいただく」が風潮なのです。
●労働基準法対策が初めの一歩
労働基準法は最低限度の労働条件を定めたものであるうえ、それを管轄する労働基準監督署は、みんなの頭にまず思い浮かぶ、身近な労使トラブルの“駆け込み寺”でもあります。ですから、会社としては、労働基準監督署の監督官がやってきたとしても、“明確かつ重大な”法違反を指摘されないようにすることです。
もちろん、監督官も労働基準法の条文と逐一照らし合わせて、一つひとつの細かな案件まですべて是正措置を求めるようなことはしません。その点では、最近の調査ポイントは「サービス残業」と「過重労働」です。経営者にとってはこの二つのことついてのリスクが大きいので、まずはココを中心にしっかりと労務管理を行なうことが大切です。