名北労働基準協会 会報誌に掲載
「可哀想なシングルマザーに養育手当を支給しよう」
「養育手当」の提案
名北労働基準協会の会報誌「Meihoku」(平成27年11月号)に北見昌朗が投稿しました。
「可哀想なシングルマザーに養育手当を支給しよう」という内容です。
可哀想なシンママに養育手当を!
筆者は「養育手当」なる新しい手当を会社に提案したいと思っている。対象者は「離婚して、子供と同居しながら養育している正社員」だ。主にシングルマザーをイメージしているが、ファーザーも対象となる。
最近増えているのが離婚である。筆者の周囲では、30代の離婚が多い。結婚して間もないのに離婚という選択肢を選ぶ若い夫婦が少なくない。
しかしシングルマザーは、非正規雇用が多く低所得になりやすい。別れた夫は、元妻に養育費を払うべきだが、実際にはそれを払わない男が少なくないそうだ。
子供に罪はないはずだ。親の離婚のおかげで進学できなくなるのは問題だ。
「養育手当」は、家族手当に加えて支給する上乗せ支給することを考えている。養育手当の金額は、1人につき月額1万円ぐらいでいかがだろうか? 学生であれば22歳まで支給する。
女性社員の勤務する会社に、こんな感じの家族手当があったとする。「配偶者8千円、子供1人につき4千円。ただし税法で定める扶養の範囲内とする。子供は18歳まで」。
ここでは仮に「女性社員が結婚して、第1子が誕生して、育児休暇を取得した後で、離婚した」とする。生計の主体者は夫だったとする。その場合は、女性社員の給与はこんな感じになる。
(離婚前)
家族手当はゼロ(勤務先で家族手当という制度があれば、夫がもらっているかも…)
↓
(離婚後)
子供の分(4千円)の家族手当をもらう。
+
養育手当(1万円)をもらう。
家族手当も子育て重視型に切り替える
筆者は、養育手当だけでなく、家族手当に関しても見直しを提案したい。筆者の独自調査によれば、愛知県下の中小企業は、8割が家族手当を支給している。その基準は、こんな感じだ。
子 4千円(第2子まで。18歳まで)
この制度は、女性が専業主婦として家庭にいた時代のものだから、筆者はこんな疑問を感じる。
「イマドキ扶養の範囲内で働いて生活できるのは一部のエリートのみ。その妻はフルタイムで働かずに、年金保険料を払わずにられる。夫の会社で家族手当をもらえる。それに対して非エリートの妻はフルタイムで働いて年金保険料を取られて、夫の会社で家族手当を打ち切られる」
「イマドキ子供の人数は多くないので、人数制限は要らない。大学進学時にオカネが要るのだから、18歳で打ち切りにするのではなく、大学在学中なら22歳まで支給しても良い」
そのようなことを考えると、次のような見直しも考えられる。
子 1万円(人数制限無し。在学中は22歳まで)
このように思っていたところ、トヨタ自動車が同じような変更をすると聞き、意を強くした。
家族手当の重要性が高まっている!
家族手当は、少子高齢化が進む状況下においては、まさに今日的な必要性は増していると考えるが、いかがだろうか?
- 名北労働基準協会は、「社会保険労務士法人愛知労務管理コンサルティング」を開設されました。
愛知労務管理コンサルティングとは、企業から愛知県下の各労働基準協会に寄せられる労務管理等に関するご要望のうち、社会保険労務士のみが対応可能な事項に対処し、企業の健全な経営と発展に寄与するために、名北労働基準協会関係者が社員となり、平成27年5月に設立された法人です。
県下の労働基準協会と密接な連絡を取り、また法人の活動趣旨に賛同した多くの社会保険労務士の協力を得て幅広い業務を行い、企業にも労働者にも有益なホワイト企業の実現を図ってまいります。
北見昌朗は、名北労働基準協会からご指名を受け、平成27年度からホワイト企業推進社会保険労務士協議会の副会長という大役を仰せつかっています。北見昌朗は、名北労働基準協会と長年にわたって信頼関係を築いています。平成15年には、労働保険の適用拡大に協力したという理由で、感謝状を受けました。