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立ち読みコーナー『監督官がやってくる!』

『監督官がやってくる!』

<第2章>労働基準監督署の調査から措置の流れ

是正報告書の様式と書き方

是正報告書の様式(クリックするとワードファイルがダウンロードされます)

労働基準監督署から是正勧告書をもらいましたが、是正勧告書とは何ですか?

労働基準監督署が調査に入り、法令違反が発見された場合は、是正勧告書が交付され、労働基準法の法令違反を是正するよう勧告されることになりますが、これを是正勧告といいます。

是正報告書は、労働基準監督署の調査の結果、法令違反があった場合に交付されるものです。
ただし、労働基準法の違反があったからといって、労働基準監督署からその場で罰金などが科せられるわけではありません。

労働基準監督署の是正勧告は、行政処分ではなく、労働基準監督署による行政指導であり、法的な強制力はありませんから、労働基準法に違反していないと思えば是正する義務はありません。
しかし、労働基準法の法令違反だとして指摘されている以上、それを繰り返し是正しない場合や、あまりにも悪質だと判断された場合は、非常に稀ですが、検察庁に書類送検される可能性もあります。

また、労働基準監督署による是正勧告は行政処分ではないので、行政不服審査法、行政事件訴訟法により、争うことは出来ません。
実務的には、例え労働基準監督署による行政指導だとしても、従わざるを得ないということになるでしょう。

是正報告書の書き方がわからない

労働基準監督署による是正報告で重要なことは?

是正報告書の書き方がわからないということは、よく耳にします。
しかし、労働基準監督署の是正報告書の書き方に厳格なルールがあるわけではないので、心配する必要はありません。

大切なのは、是正したという事実を労働基準監督官に伝えることです。
ですので、従業員と協議した記録や指摘事項に対する是正を証明できる資料をしっかりと用意し、提出することが重要です。是正内容が不十分だと、是正が認められないこともあります。

また、労働基準監督署に対する虚偽の報告は、絶対にしてはいけません。労働基準法違反の悪質なケースに対しては、逮捕や送検手続きが行われることがありますので、十分注意が必要です。

是正報告書の提出が間に合いそうもない

労働基準監督署から是正勧告書を交付されましたが、期限内に是正報告書を提出できません。その場合はどう対応すればいいのでしょうか?

期限までに是正報告書を提出し、改善・報告ができない場合は、必ず労働基準監督署に連絡を入れ、期限の延長を依頼します。
その場合、中間報告が求められる場合がありますが、その際は、労働基準監督署の指示に従いましょう。